「お祝いごと」をキーワードに植物の小売店を開店

株式会社横mix
久留米市田主丸町豊城1773-9
■代表者: 横溝 泰士
■計画承認日: 2024年6月17日
 

事業内容

1980年に造園業として創業。地元や京都の造園会社で修業を積んだ横溝泰士さんが2010年に代表取締役に就任して事業承継し法人化、現社名に変更した。祖業である造園業に加えて外構工事、庭木の生産・販売、コンテナハウスの製造販売など事業多角化を進めている。

About us 会社概要

造園業から外構工事、植物販売など事業多角化を推進
横溝泰士さんは高校卒業後、他社で造園技術や建設工事のノウハウを学んだあと、両親の経営する横溝造園に入社しました。それまでの造園業に加えて外構工事、庭木販売など事業拡大を推進。2010年には法人化により代表取締役に就任して、現社名に改めました。
造園工事の需要が年々減少するなかで新規事業にも意欲的に取り組みました。2018年には国の補助金を受けてコンテナハウスの製造販売を開始。さらに外構工事における他社との差別化を図るため、オリジナル門柱の開発、提案型ホームページ・ECサイト開設による自社ブランドの確立を進め、2020年10月に経営革新計画の承認を得ました。
造園の際に必要となる庭木も自社で生産を始めており、同業者への卸販売のほか、大野城市に出店した庭木専門店「Tree shop」やインターネットによる一般顧客への販売に力を入れています。

観葉植物・生花の販売にも着手
2024年4月からは庭木に加えて観葉植物・生花・花苗などの販売も開始しました。きっかけは「Tree shop」の来店客から、「花は置いていないの?」とたびたび聞かれるようになったこと。田主丸町にあったコンテナ製造工場を改装、植物の小売店舗「植物倉庫」をオープンしました。
開店から1年が経ち、さらなる収益アップのためには周辺の競合店との差別化が必要だと感じた横溝さんは、オフィスや店舗の開店祝、住宅や事務所の新築祝、父の日・母の日、誕生日などあらゆる「お祝いごと」をキーワードにした店舗への転換を決断します。植物に加えてプレゼント用の雑貨やバルーンフラワーなども取り揃え、「お祝いごとがあった時、ここに来れば何かが見つかる」という店を目指しました。
さまざまな種類のお祝いごとに対応するには、取り扱う植物のラインナップをさらに広げる必要がありました。ただ、多くの植物を店舗で保管する以上、店内の温度・湿度を細かく管理しなければなりません。そのためには専用の空調設備を導入する必要があり、補助金が活用できないか商工会に相談しました。




Management Innovation 経営革新

・田主丸町商工会への相談のきっかけ
2020年に経営革新計画を策定した際も田主丸町商工会から支援を受けており、それ以来、継続的な付き合いが続いています。今回の経営革新計画策定についても、その延長線上で相談しました。

・実施内容と成果
補助金申請に必要な経営革新計画をはじめ、資金計画、設備投資計画、運転資金計画などを指導員や中小企業診断士などの支援を受けながら作成しました。「事業計画を第三者の視点、専門家の立場から見ていただけたことは、現実的な計画に落とし込んでいく上で助かりました」と横溝さん。

・経営革新計画書に基づいた取り組み
計画承認後に交付された経営革新賃上げ環境整備緊急支援補助金の一部を使い、店内に保管する植物(植木・観葉植物・生花・花苗など)を管理するための専用空調設備を購入・設置しました。

Future その後の展開と未来への展望

周辺地域への移動販売も検討
2025年11月1日にリニューアルオープンした「植物倉庫」。カタログ、チラシを作成・配布して来店を促すと同時に、店を拠点に様々なサービスを展開していく予定です。その一つが植物の移動販売。イベント会場や商業施設、地域の洋菓子店などに移動販売車で商品を運び、現地で販売していこうというものです。
「例えばケーキを買いに来たお客さんが、そこで花を一緒に買って帰る。家族や職場の仲間など、花を贈られた人はきっと喜んでくれると思うんです」と横溝さん。「喜びや感謝、感動が生まれるシーンに関われる仕事をしたいと常々考えており、そこに私たちの存在意義もあると思っています」。

事務所向けの植物サブスクも開始
このほか、店舗改装にあわせて本格スタートした新事業が「事業所向けの植物サブスクサービス」です。病院・高齢者施設・宿泊施設・飲食店・美容室などと契約を結び、数カ月ごとに植木や観葉植物を入れ替えるサービスです。
企業にとっては商品の選定・購入・配送依頼などの手間が省け、季節に応じた植物を専門家から提案してもらえるメリットがあります。同社の調査によると造園、外構工事業者でこうしたサービスを行っているところは周辺地域になく、リースを行っている植木販売業者や花の小売店もそれほど多くの品種を取り揃えてはいないといいます。当社のように約100坪の広さを持つ店舗があり、空調設備による温度管理の環境が整っているからこそできるサービス。一度の工事で完結する造園や外構工事と違い、事業所と長期的な関係性を築くことで新たな仕事につながる可能性もあります。
「造園の需要が年々減り、かつて〝日本一の植木の町〟と言われた田主丸でも植木の生産量が減っています。そんな植木の町に、もう一度活気を取り戻したい。自社で植木生産に取り組んでいるのもそのためです」と語る横溝さん。「植木生産に力を入れるためにも多角化を進め、安定した収益基盤をつくっていきたいですね」。