本気の接客」がファンを生む 居酒屋の価値をもっと高めたい!
- 和洋 創作酒場 晩餐-Bansun-
- 久留米市天神町152-4
- ■代表者: 冨来 力
- ■創業: 2024年11月15日
- ■TEL: 0942-48-7974
事業内容
西鉄久留米駅近くにある創作居酒屋。フレンチをベースとしながら、和洋食のジャンルにこだわらない創作料理が人気を呼んでいる。席数はカウンター11席、4人掛けテーブル席2卓、6名用個室1室。営業時間は17~23時(ラストオーダー22時30分)。不定休。
About us 会社概要
友人との「約束」を果たしに東京から八女へ
料理の現場では、いきなり調理を任されることはありません。ですが、当時働いていたレストランの調理長は「自信があるならやってみろ」と言う人でした。冨久さんは「自分で考えて作ったメニューを料理長にしょっちゅう味見してもらっていた」と語ります。何度も確認を重ねてメニュー化されたものもありました。
3年ほど働いた後、フランスで修行をすることを視野に入れていた2019年、同じ飲食の道に進んでいた地元の中学時代の友人から「焼肉屋を出すからお店を手伝ってほしい」という連絡がありました。フレンチと焼肉ではジャンルが大きく異なる点、そして冨久さん自身もレストランでの経験を活かして自分のお店を持つ独立の夢があったため、最初は断りました。しかし、10代の頃に交わした「先に独立した方にもう1人がついていく」という友人との口約束を果たすため、地元福岡に戻る決意をしました。
NPO法人居酒屋甲子園で全国大会へ
出店したのは福岡県八女市。店の立ち上げから関わった冨久さんは、開業後は店長やマネージャー、専務としてお店・会社を引っ張ってきました。10代の頃の口約束とはいえ、約束を果たす以上、友人のお店を“必ず繁盛店にしてみせる”という強い気持ちがありました。特に意識したのは“接客と雰囲気作り”です。「食材の質が上がっている今の時代、飲食店で料理が美味しいのは当たり前です。ただ、どんなに美味しい料理を出しても、接客や雰囲気、“人”が良くなければ二回目の来店はありません。目の前のお客様にどれだけ真心を込めて、お客様の気持ちを汲み取り、本気で接客できるかがそのお店の価値を決めると思っています。お客様がおしぼりや取り皿などを欲しそうにしていると感じたら、呼ばれる前に持って行く。気配り・目配り・心配りを心掛け、常に相手の立場に立った接客を徹底してきました」。
正直、恵まれた立地ではありませんでしたが、おかげでお店は繁盛し、佐賀県鳥栖市に2店舗目を出店。2023年には全国の飲食店が取り組みや思いを発表して競う「NPO法人居酒屋甲子園」にエントリーし、地区優勝を果たしました。全1206店舗の中から全国大会に出場する上位5店舗の一つに選ばれ、最優秀3つ星店長という賞も受賞。お店の仲間たちと神奈川・パシフィコ横浜で5,000人の観客の前でスピーチをする経験をした冨久さんは、約束を果たしたことを一つの区切りとし、2024年8月に退社。自分の夢だった独立に向けて歩みを進めることを決めました。
Founding 創業計画
・田主丸町商工会への相談のきっかけ
飲食業界の先輩から、久留米市の商工会議所や商工会が行っている創業塾のことを聞きました。受講を希望したものの、塾が開講される日曜日は勤務があったため、一度は参加を断念。その後、田主丸町商工会では自分の都合のよい日にあわせて受講できると聞き、訪問しました。
・創業に向けて受けた支援内容
指導員および中小企業診断士から「経営」「財務」「販路開拓」「人材育成」について学ぶ4日間の創業支援塾を受講。特定創業者として認定され、低利で融資を受けることができました。「融資の申請に必要な創業計画書の作成も支援してもらい大変助かりました。中小企業診断士の先生と話をすることで、客観的に自分を見つめ直す機会にもなりました」。
・創業計画書を提出して受けた融資の使途
店舗の内装費をはじめ、厨房機器、冷蔵庫、シンク、業務用エアコン、業務用オーブン、食器類などの購入費に活用したほか、2カ月分の食材仕入れ費など運転資金として確保しました。
Future その後の展開と未来への展望
出店場所は直感で即決
出店場所は直感で即決。出店エリアについては、業態は異なるものの前に勤めていた焼肉屋から離れた地で「勝負するなら飲食の激戦区で」と久留米市中心部を選びました。物件を探す中で、現在の店舗と運命的な出会いを果たします。「ネット掲載で空き物件として出ていることは知っていましたが、家賃予算を大幅に上回っていたので候補から外し、他の物件を見に行こうとしていました。しかし、お店の前を通ると気になって中を見させてもらった瞬間、スケルトンの状態にも関わらず心が踊り、ここだ!と思い即決しました。」西鉄久留米駅西口にある繁華街「一番街」からは少し離れた東口の物件でしたが、周囲には老舗として知られる店も多く、落ち着いた街の雰囲気は目指す店舗像にマッチしていました。課題だった開業資金は田主丸町商工会の制度を活用し、金融機関から融資を受けることで賄いました。出店場所で以前経営していたのは20年間続いたイタリアンの老舗。「あの店の跡地に新しい飲食店が出るらしい」と開店前から注目される中、2024年11月に夢だった自分のお店をオープンしました。
オープンキッチンに込めた思い
店の形態は「創作居酒屋」。和食・洋食などのカテゴリーや業態にとらわれない斬新なメニューを次々と開発していきました。「これとこれを掛け合わせたらどうなるだろう」という探求心にこれまでの経験を生かし、70種類ほど考え新メニュー開発を繰り返しました。定番メニューにもひと捻りを加えており、「『この店の○○は他店とは全く違う』とよく言ってもらえます」。
創作料理と持ち前の接客力で次々とお店のファンを獲得。計画を上回る業績で推移しており、早くも人気店となっています。
〝豪華な夕食〟を意味する店名の「晩餐」には、「いつもの夕食より料理も雰囲気もワンランク上のものを提供したい」という思いを込めました。店内のこだわりは開放的なオープンのライブキッチン。「調理している手元を見てもらうことでお客様に安心して食事をしてもらいたいですし、若い料理人や飲食の道を志す人たちも学べるものがあれば学んでほしい。料理人同士が切磋琢磨することで久留米の食文化が注目され、居酒屋の価値の向上につながってほしいと思っています」。