豊富な樹木知識と自社生産による あらゆるオーダーにも対応

株式会社野上華園
久留米市北野町髙良1336-1
■代表者: 野上浩昭
■創業: 2024年4月11日
 
■TEL: 0942-78-7787

事業内容

植木・苗木・鉢物の卸売から生産、小売まで手掛ける。卸売先は主に造園会社、大型園芸店、植木卸業者などで、小売はインターネット経由での個人向けが中心。販売する植木は田主丸町をはじめ、つながりのある生産者から仕入れるほか田主丸町の自社農園でも一部生産する。

About us 会社概要

田主丸植木市場と大手造園会社での経験を生かして独立
野上さんは2001年から2017年まで、田主丸植木市場の職員として働いてきました。組合では毎月6回、植木・鉢物・花苗などを売買する植木市を開催。最高額を提示した買い手(園芸店、造園業者など)が商品を競り落とす「セリ」が行われます。野上さんはそのセリを仕切るセリ人として経験を積んできたほか、植木市場にせり売り以外に卸売部門を立ち上げ、そこで買い手のニーズに応え、注文に応じた商品の仕入・出荷業務にも従事しました。17年間にわたる勤務で植木販売に関するノウハウ・ネットワークを築いた野上さんは、植木や、園芸店開設の想いもあり独立を考えるようになります。「知識や自分への自信不安や、独立の心配などもある中で、田主丸の大手造園会社からの話がありました。創業か転職を迷った末、『造園の知識や樹木の生産・管理』を学びたいという気持ちで、2017年に㈲田主丸緑地建設への転職を決めました」。と語る野上さん。入社後は同社が広大な面積で生産する樹木の管理、植樹先への出荷業務などを担当。取り扱いのない品種についてはたくさんの生産者に協力してもらい仕入れも行いました。樹木が好きで、自ら生産や樹木の勉強をおこなうために、自宅にて生産開始。

自社農園で小ロットのオーダーにも対応
独立後はこれまで関係を築いてきた生産者との交流も継続し、生産品を分けてもらいながら、業者への卸売を行ない、同時に田主丸町で山地を借りて農園を開設し、一部の品種を自社生産することを計画しました。「近年は生産者も経営効率化を進め、生産が少ない品種や生産に年数がかかりすぎる品種は、生産をやめる傾向にあります。その部分を自社の農園で生産を補い、ニーズへの対応を図っていこうと考えました」。ただ、借りた土地は農地として整備されていたわけではなかったため、一から耕運する必要がありました。そのためトラクターや耕運機、ショベルカーなどの機材を導入しなければならず、まとまった資金が必要でした。そこで田主丸町商工会での創業支援制度を利用して低利で金融機関から融資を受けた上で、2024年4月に創業しました。




Founding 創業計画

・田主丸町商工会への相談のきっかけ
田主丸町植木農業協同組合を退職する際に、一度独立を考えていたことから飛び込みで訪問。その時は造園会社に就職したため具体的な支援を受けることはありませんでしたが、造園会社を退職して独立する際に、再び訪問しました。

・創業に向けて受けた支援内容
2023年、指導員および中小企業診断士から「経営」「財務」「販路開拓」「人材育成」について学ぶ4日間の創業支援塾を受講。特定創業者として認定され、低利で融資を受けることができました。「運搬や農地開拓に必要な機材を購入する必要があったため、開業には金融機関からの融資が必要でした。低利で借り入れることができ、大変助かりました」。

・創業計画書を提出して受けた融資の使途
植木などの運搬に使用する4tトラックや軽トラックをはじめ、自社農園の耕運に必要なトラクター、耕運機、ショベルカー、フォークリフトなどの機材購入費、植木などの仕入れに必要な運転資金に充てました。

Future その後の展開と未来への展望

植木のネット販売もスタート
2024年4月に卸売業者としての事業を開始してからは、従来の取引先が引き続き注文をいただいております。九州を中心に遠くは関東地方からも声が掛かり、現在は幅広い品種の注文に対応しているところです。創業と同時に自社農園の開拓・植え付けにも着手しました。大型機材を使い、現在は野上さんが一人で土地をならし、生産を続けています。植え付けから1年半が経ち、少しずつ販売できる品種も揃ってきました。「正直、いまの市場環境はよいとは言えません。資材高騰などの影響で建設工事そのものが停滞しているように、昨今、建物や施設の周辺に使われる植木などの需要も伸び悩んでいます。個人住宅でも若い世代では庭を持ちたいという人は減っており、庭木のニーズも落ちているように思います」。そのため法人への卸売に加えて、ネット販売による個人向けの販路拡大にも取り組んでいます。家庭菜園のブームもあって個人からの注文は想定した以上に多く、ネット販売は順調に伸びています。

当初からの夢である園芸店の開設構想
野上さんが楽しみにしているのが、生産している植木の成長です。レモンやミカンなどの柑橘類、ツツジ、モミジを生産しており、「あと2年ほどすれば十分な大きさに育ち、安定して販売できる状態になると思います」。その他、遠方から仕入れたアオダモ、ソヨゴ、ハイノキ等、人気樹木も仮植を行なっています。また、農園とは別に、仕入れた植木の集荷や積み込みを行なう土地も借りて作業を行なっています。ゆくゆくは田主丸町でも園芸店をできればと構想しています。「将来的には法人客と個人客、それぞれに販路を拡大していきたいと思っています。そのためにもまずは既存の取引先との関係をしっかりと作り、取引量を増やしていきたいですね」。かつては全国有数の植木・苗木の生産地として知られた田主丸も、近年の生産量は減少傾向。その伝統の灯を守っていくことも野上さんのモチベーションになっています。生産農家の方には、たったの1本でも配達して頂いたり、急ぎの注文にも対応して頂いたりしていますので、これからも感謝の気持ちを忘れずに一生懸命精進してまいりたいと考えております。と語る野上さん。