地域の活力につながる移住者の創業。
見知らぬ土地での開業を、個別支援で徹底サポート。

田舎ダイニング Basara
久留米市田主丸町鷹取635-1
■代表者: 永瀬 益枝
■創業: 平成30年3月20日
 
■TEL: 0943-88-9005

東京浅草から田主丸へ…新天地への移住と開業

オーナーシェフを務める妻の永瀬益枝さんは、東京浅草にて自宅の一部を改修した、隠れ家的レストランを長年一人で切り盛りしてきた。
夫の定年退職を機に浅草より田主丸町に移住し、平成30年3月、当地にて「地元の厳選食材を使う独創的な料理のお店」をオープンさせた。
浅草では一見さんの望めない住宅地、さらにマスコミへの露出を控えたにもかかわらず、オープンからわずか3カ月後には客足の絶えない人気店に。その後16年もの間、繁盛店としての地位を守り続けた。
浅草の店はイタリアンだったが、田主丸の新店舗では「料理法の枠に囚われたくない」との想いから、田舎ダイニングとしてさまざまなアレンジ料理を提供する。

人気店には理由がある!クチコミで広がるBasaraの魅力

素材に対するこだわり
益枝さんの父は釣りが趣味だったため、幼い頃から新鮮な魚に恵まれていた。
「築地より玄界灘に近い福岡の方が、美味しい魚が手に入る」という点も、福岡に移住を決めた大きな理由の一つだ。
東京にいた頃は新鮮な食材を求めて、長野や群馬などまで買い出しに行っていた。
幸いなことに、田主丸は地元の農産物に恵まれた土地。今では「JAにじ 耳納の里」「三連水車 道の駅」「筑前町ファーマーズマーケット みなみの里」などに自ら出向き、実際に手にとって野菜を厳選している。
また、「ほんの少しでも野菜の残留農薬がわかる」というほど舌が敏感なため、新鮮な野菜を大量の水で徹底的に洗浄する。
素材に対するこだわりは、まさに一切の妥協がない。

夫妻が惚れ込んだ古民家と庭園
夫妻が移住したのは、田主丸で代々続いてきた古民家。この古民家と庭に惚れこみ、夫妻は福岡の中でも、ここ田主丸に移住先を決定した。 立派なお屋敷には、歳月のみが生み出せる重厚な雰囲気が漂っている。
ここで目を引くのが、センス良く配された夫妻の美術コレクション。
マティスの絵画や古九谷の焼き物などが、古民家に彩りを添えている。
裏には夫妻が一目惚れしたという日本庭園があり、店内からは春夏秋冬それぞれの景色を眺めることができる。

益枝さんの人としての魅力
東京では、麻布や銀座の舌の肥えたお客さんに愛され、女性実業家や芸妓さんなど華やかな人脈を築いていた益枝さん。
田主丸町への移住に際して、益枝さんは地元の集まりにとにかく顔を出し続けた。
まずは地元のやり方やルールを覚えて、地元に受け入れてもらうことが肝心。
「田主丸では本当に良い人ばかりに出会えた」と言うほど、早くも移住先での生活に馴染んでいる。

厨房で忙しく働く益枝さんだが、お客さんへの声かけも忘れない。
益枝さんの料理は、野菜をたっぷり使った独創的なものばかり。
料理に感動するお客さんたちに、益枝さんは料理のレシピをどんどん教えてあげている。
「ごぼう嫌いな子供にはごぼうのトマト煮を」「キュウリは生だけじゃなく、火を通しても美味しい」など、益枝さんのアドバイスには地元の農家さんも驚くものばかり。
「ここで食べた野菜が美味しかったら、帰りにお客さんが田主丸で野菜を買ってくれるかもしれない」と、益枝さん。
お客さんと地元を大切にする姿勢が町内外の客を呼び、ここでもオープン3カ月にして予約が取りづらい人気店となっている。




創業計画策定支援を受けようと思われたきっかけは?

田主丸町に移住した最初の頃は、久留米市役所の本庁舎を訪れていました。でも、田主丸から本庁舎までは車で片道約40分もかかり、簡単に行ける距離ではありません。そんな折、本庁舎の職員さんに田主丸町商工会さんを紹介してもらいました。

決め手は個別の創業支援
田主丸町商工会さんでは、個別の創業支援策があることを教えてもらいました。
「個別支援」ということで、自分たちが直面している課題を、自分たちのタイミングで相談することができますよね。
距離の近さと、個別の創業支援に惹かれ、商工会さんにお世話になることにしました。

創業計画書を策定してみていかがでしたか?

個別支援ということで、経営指導員さんに担当してもらい、すべてを相談しながら進めることができました。電話で予定を確認するだけで、いつでも経営指導員さんに会うことができ、一から百どころか、一から千まで教えてもらいました。
また専門家の先生のご指導では、難しいお話をユーモア交じりにわかりやすく説明していただき、スムーズに創業計画書を策定することができました。
おかげでまったく知らない土地での開業だったのに、順調にお店をオープンできたと思います。

商工会を活用した感想

移住先での心強い味方
経営指導員さんは、私たちにとってスーパーマンです。
何も知らない土地へ移住してからの起業は本当に大変で、経営指導員さんのような存在がなかったらできなかったと思います。
細かなことまで本当に親身になってくださって、ネットが使えない私たちに代わってネットでいろいろ調べてくださったりと、本当に感謝しています。
夫とも「経営指導員さんがいなかったら、絶対に途中で開業を諦めていたよね」と話しています。

融資や補助金の相談も…
日本政策金融公庫からの融資や、久留米市移住者創業促進支援事業費補助金の活用など、私たちだけでは絶対に無理なことばかりでした。
融資や補助金の申請には細かな書類が必要ですが、ここでも創業計画書が役に立ちました。
事前にきちんとした創業計画書を策定していたため、書類審査や面接もスムーズだったと思います。
今度は、私たちが田主丸町の活性化に少しでもお役に立てればと思っています。

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食材もですが、ワインやシャンパンなどもすべて自分の目で見て、舌で味わい、自信を持ってオススメできるものだけを揃えています。
またお料理には、1日摂取量にも匹敵するほどの、たっぷりの野菜を使っています。

お昼は数種類の前菜をはじめにメイン、ご飯、汁物と続くBasara御膳を中心にご用意しており、夜はおまかせコースでおもてなしさせていただきます。
ゆったりとした時間を過ごしながら、田舎料理やチーズ料理、オーブン料理などとともに、ワイン、シャンパン、日本酒、ビールなども愉しんでいただけたらと思います。