作業着でもエプロンのままでも行ける、癒やしの美容室

日々のあくび
久留米市田主丸町中尾1391-1
■代表者: 山川 香織
■創業: 2021年5月15日
 

事業内容

久留米市内に数店舗を構える美容室で17年働いたあと、独立。「あくびが出るくらい、リラックスできる時間を過ごしてほしい」と、マンツーマンの接客で、一人ひとりのお客様とゆっくり向き合っている。

About us 会社概要

子どもの時に根付いた「美容師になる」想い
美容師として17年勤めたあと、晴れて田主丸町で独立を果たし、美容室「日々のあくび」を構えた山川香織さん。美容師を目指すきっかけとなった原風景を辿ると、子どもの頃の思い出に行きつきました。「私が小さかった時、自分で自分の髪を三つ編みにしたんです。すると、母が『美容師になったら?』と褒めてくれて。軽い調子でしたが、それをずっと覚えていて、『自分は美容師になるんだろうな』と思っていました」。
さまざまな地域の店舗を担当するなかで、少し落ち着いた雰囲気の田主丸町が性に合っていたと話す山川さん。小ぢんまりと、1対1でお客様にしっかりと向き合える店をつくりたい。いつかは独立を――と考える中、カフェ経営が夢だった夫の山川圭介さん(2021年に田主丸町で「23COFFEE」を経営)と出会ったこともあり、夫の地元での開業が見えてきました。

独立後は子育ても仕事も楽しみたい
2019年頃から、夫の圭介さんと一緒に起業の準備を続け、2020年に創業計画書を提出、2021年6月の開店を目指して店づくりを始めました。ウッドを使って、ナチュラルな雰囲気で、照明や椅子、鏡などのインテリアは自分で見て決めたと話します。
セット面(お客様が座る席)は2面。1人で対応できる規模、というのは譲れない部分でした。また、店で使うカラー剤やヘアケア製品も、ナチュラル系をセレクトしています。
「創業計画書をつくっていた頃、妊娠していたんです。だから、数値目標はあくまで仮定で。ただ、自分の中では『子育ても仕事も、どちらもできるところをぜひ見せたい』と決意していました」と山川さん。自分の状況を楽しみながら働く未来を見ていました。




Founding 創業計画

●店舗のネーミング
「あくびをしながらの仕事がしたい」という想いを込めています。あくびはリラックスしていないと出ないものです。慣れた美容室じゃないと、途中で眠るなんてできないですし。以前担当していたお客様ですごく眠そうにしている方がいて、そのくらいリラックスしてくれたら嬉しいと思って名付けました。また、横文字だと読めないこともありますが、年配の方でも読める日本語にしたい、というのもありました。

●コンセプトについて
都会の流行りの美容室に行った時、ものすごく緊張して疲れて帰ってきたことがありました。そういう美容室よりも、「作業着でも行ける」「エプロンのまま行ける」生活の一部のような美容室を目指しています。

●ターゲット層と実際のお客様
お客様は、前に働いていた職場での常連さんを見越していて、開業後のターゲット層は具体化しませんでした。ふたを開けてみれば、新規の方、近所の方々も口コミで来店してくれ、現在は7割が以前からのお客様、3割が新規という割合です。

●今後の展望
子育てとの兼ね合いで日・祝日は店休日にしています。ただ、土日・祝日しか美容室に行けない人もいると思うので、将来的には面貸し(フリーランスの美容師に月額でセット面を貸し出すこと)も考えています。

Future その後の展開と未来への展望

お客様に受け入れられた、おんぶで接客
雇われて働いていた頃は、1日に多い時で10人ものお客様を担当していましたが、今は多くても3人。子どもが生まれてからは、授乳しながら働き、子どもを保育園に迎えに行ってまた働きと、仕事と家族との時間を両立した働き方に変わりました。
「自分の店だから、バランスがとりやすいなと実感しています。自分の自由になる時間が増えたのが、起業して良かったと思うことです」。
子どもをおんぶしながら接客したこともあったそうで、お客様からは「そういう働き方って、いいですね」と言われたのだそうです。「子どもを背負いながら仕事をしていたら、お客様に嫌な思いをさせるかな」と心配したところ、「(お子さんに)会いに来たのに今日はいないの?」と言ってくれる方々が多く、山川さんの自信になっていきました。開業前に考えていた「楽しみながら働く」が形になったのです。

お客様の求める接客を心掛ける
また、夫の圭介さんの出すドリンクも、お客様にとって嬉しいおもてなしの一つになりました。美容室で出すメニューはきまっているのですが、カフェが落ち着いているタイミングだと、他のドリンクも出せるそうです。「この前は子育て真っ最中のお母さんが『今は自分の時間』と来店され、好みのスムージーを頼み、カットが終わった後に『リフレッシュできた』と言われました。そういう、自分だけの時間は大事だなと改めて思います」。
1対1の店だと、急いでいるお客様は少なく、「日々のあくび」で過ごす時間を心待ちにしている方が多い、と山川さん。「実は私、人と話すのはちょっと緊張してしまって。きっと私のようなお客様もいるのではないかと思い、技術も大事だけれど、お客様との距離感も大切に接客しています」と話します。取材前、取材後と常連のお客様が訪れるなか、にこやかに迎える山川さんのやわらかく丁寧な物腰が、田主丸町の方々にほっと一息つけるひとときを提供していました。

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