国内外工場の自動化を支える貿易商社を設立

株式会社GNTコーポレーション
久留米市田主丸町地徳2667
■代表者: 金城 旭
■創業: 2023年5月10日
 
■TEL: 090-2968-2266

事業内容

半導体、自動車、液晶パネルなど各工場で使用される組み立て装置、搬送装置などの精密加工部品を中国・韓国など海外から仕入れて各メーカーに販売する貿易商社。国内外の工場で進められるオートメーション化を支える。

About us 会社概要

製造設備に使われる部品を供給
金城さんは大学卒業後、梱包資材を扱う会社に就職。食品パッケージの設計、中国の製造会社への発注・仕入れを行う業務に従事しました。その後、半導体や液晶パネルなどの製造工場で使われる搬送装置・システムのメーカーに転職。装置の設計から現場での据付工事における進行管理、他社との調整などを行ってきました。「大規模な半導体工場や液晶パネル工場の建設に際しては、着工の数年前から機械・装置の仕様、工場内のレイアウトなどを決めていきます。現場では複数のメーカーが機械や装置を据え付けていきますから、各社担当者と工事スケジュールや設備同士の接続方法などを打ち合わせていきます。こうした経験を通して、様々な種類の機械や装置、それに付随する部品などの知識が身に付きました」。その企業には8年間在籍しましたが「社員の年齢層も高かったこともあり、職場の雰囲気は暗いものでした。若い人たちも明るく楽しく働ける会社を作りたいと思うようになりました」と独立の動機を語ります。

コロナ禍の挫折を経て再び会社設立
その後、香港で会社を設立し、中国から仕入れた精密加工部品を知人が社長を務める韓国のメーカーに卸す事業を立ち上げました。ところコロナ禍の影響を受けてそのメーカーが倒産。販売先を失った金城さんは会社を解散して、失意のなかで日本に戻ってきました。帰国後は貿易商社に勤務したものの、「独立したい気持ちはずっとあった」と言います。やがて経営者との考え方の相違もあって退職。再び起業に向けて動き出し、2023年5月に精密加工部品の貿易商社「GNTコーポレーション」を立ち上げました。金城さんの強みは、これまでの経験で蓄積した豊富な知識に基づいた設備導入の提案力と、日本企業が求める品質基準を満たす製品を生産できる海外工場とのネットワークがあること。高品質の部品を国内企業よりも安価で入手できます。販売先はこれまでの事業で取引実績のある九州地区のメーカーが見込めました。課題は運転資金の確保。販売先である大手企業の支払いサイトは1.5カ月~2カ月であったため、製品の仕入れから売上の入金までの間をつなぐ運転資金が必要でした。




Founding 創業計画

・田主丸町商工会への相談のきっかけ
創業にあたっては、取引先である田主丸町の部品加工メーカー経営者から様々な協力を受けました。その経営者から田主丸町商工会の紹介を受けて訪問しました。

・創業に向けて受けた支援内容
指導員および中小企業診断士から「経営」「財務」「販路開拓」「人材育成」について学ぶ4日間の創業支援塾を受講。融資を受けるに当たって必要な創業計画書の作成の支援を受けました。創業支援塾を受講したことで特定創業者として認定され、低利で金融機関から融資を受けることができました。

・創業計画書を提出して受けた融資の使途
精密加工部品への発注・代金支払いから、販売先からの入金まで数カ月のスパンがあるため、その間の運転資金として活用しました。

Future その後の展開と未来への展望

半導体業界の伸長に期待
取引先である部品加工メーカーの好意で工場敷地内に事務所は間借りすることができ、仕入れた製品を管理する倉庫も確保できました。数年前までは中国で半導体工場が多く立ち上がり、国内の設備・装置メーカーがこれらの工場に製品を納入していたため、そこに使用される精密加工部品の需要も旺盛でした。しかし、今年に入ってアメリカが人工知能(AI)向けメモリや最先端半導体製造装置の対中輸出の制限を強化し、日本を含む半導体製造装置の主要輸出国にも同様の輸出規制を課すよう働きかけた影響で、中国の半導体工場のける設備投資は一時的に落ち込んでいます。ただ、金城さんは「半導体業界は今後もまだまだ伸びる市場」と見込んでいます。「半導体は早いサイクルで新たな技術が次々に開発されています。その結果、その技術に対応した工場や設備が必要になるため、そこに使われる精密加工部品の需要も伸びるはずです」。特に近年はAIや電気自動車(EV)の普及が追い風となり、半導体の需要は増加を続けています。

無人搬送ロボットのレンタルも視野
工場における省力や生産性向上は半導体工場に限らず、他の業界でも共通した課題です。例えば、レストランで「配膳ロボット」として最近見かける自律走行搬送ロボットは医療施設などでも需要が見込めます。また、工場や倉庫向けの無人搬送車も今後ニーズが出てくると予測しており、これらのレンタル事業も視野に入れます。このほかにも、産業用機械メーカーの工場や工事現場などで使用されるトランス(変圧器)やリアクトル(電流の流れを制御する装置)を扱うことも検討しています。金城さんの目標は、経営者として引退するまでに従業員100人規模の会社にすること。そのために将来的には、工場向けの機械部品や設備とは関係のない、全くの別の事業への参入も構想しています。そして、どんな事業を行うにしても、独立の動機となった「若い人たちも明るく楽しく働ける職場にすること」の実現を目指しています。