町の広報担当者! 色鮮やかに美しく… “想い”を伝える看板製作

立石工芸社
福岡県久留米市田主丸町田主丸1148
■代表者: 立石 和司
■創業: 平成15年7月25日
■計画承認日: 令和1年6月28日
 
■TEL: 0943-72-2376

看板は顧客とのコミュニケーション

一般広告看板や電柱広告など、屋外広告物の製作を行う「立石工芸社」。田主丸を歩けば、町のあちらこちらに「立石工芸社」が手掛けた看板を目にすることができる。
顧客にとって看板は自分たちの事業をアピールする、いわば顔のようなもの。看板は顧客とのコミュニケーションと考え、人々の記憶に残るデザインを提案する。情報はもちろん、顧客の想いまでを伝えたい。それが立石工芸社のモットーだ。

家族経営の強み

業界では珍しいが「立石工芸社」では、営業から打ち合わせ、デザインに製作、そして出来上がった看板の取り付けまでを自社で一貫して行う。最初に打ち合わせをした人間が最後まで現場に立ち会う。顧客に安心感を与えるだけでなく、顧客の意図を十分に汲み取った仕事ができるというわけだ。
「立石工芸社」を興したのは先代で、現代表は2代目。今ではデザインを学んだ長女が仕事を手伝い、次期3代目として活躍する。阿吽の呼吸で仕事ができること。顧客の事情に合わせてフットワーク軽く対応できること。これら家族経営の強みを生かし、親子3世代で田主丸町の広報を担っている。




経営革新計画の内容は?

Q. 新サービスの概要と、その新規性を教えてください。
「大判高画質プリンター導入による新たなサイン提案事業の展開」です。大判のインクジェットプリンターを導入することで、美しい画像やいろんなデザインを提案できるようになると考えています。
これまではカッティングシートによる看板製作がメインでした。金属・木材・アクリルなどすべての材質に対応できるようカッティングシートでの技術も磨いてきました。しかし、カッティングシートではデザインに限界があります。複雑なデザインは無理ですし、色を多用するデザインだと時間がかかります。また、グラデーションが表現できたり、写真画像が取り込めたりするのもインクジェットならではですね。実際にうちで製作した整体院の看板には施術中の写真を入れました。整体ってどんなことをするのか、お客さんが不安に思うかなと。写真を入れれば分かりやすいですし、安心して来てもらえると思ったんです。
今後はカーラッピングにも力を入れていきたいですね。さっそく地元の病院から送迎車のラッピングを依頼していただきました。もともと自分が車好きなので、商用や個人用までいろんなラッピングを提案していきたいと考えています。

Q. 始めようと思ったきっかけは?
月に4〜5件はインクジェットプリンターでしかできない注文があり、今まではすべて外注に出してきました。でも、外注だと時間と費用がかさんでしまい、断らざるを得ないこともありました。例えば、インクジェットプリンターで印刷するメディア(フィルム)は何種類もあって、うちが使いたいメディアを外注先が持っているとは限らない。少ししか使わないのにメディアを1本入れてもらうわけにもいかないですしね。自社で持っているなら、うちに依頼してくるお客さんの傾向に合わせて使い勝手の良いメディアを数種類、自分で選んでストックすることができる。さらに、メディアは横幅1600mmありますが、自社で作る場合はA案件とB案件を横に並べて印刷します。外注だとそういう細かい対応はしないので、その分費用が割高になります。
外注では自分のやりたいように調整できない面が多々あって、それならうちでも機械を導入しようということになりました。

補助金の活用について教えてください

設備の導入について
補助金を活用して、最新の「大判インクジェットプリンター」と「ラミネーター」を導入しました。「大判インクジェットプリンター」で印刷するだけでは耐候性に弱く、「ラミネーター」で紫外線をカットします。この2つはセットのようなものですね。
また、メディア(フィルム)を通常の看板用、長期使用可能なもの、車両ラッピング用など、いろんなケースに対応できるように数種類、揃えています。お客さんの希望用途により、性能とコストを考えて、最適なメディアを使用できるようにしています。

補助金活用により得られるメリットは?
長女はデザインの勉強をしていますし、カッティングシートでは難しかった、いろいろなデザインを提案できるようになります。デザインの幅が広がったのが一番の違いです。
また、自社で導入し製作コストを落としたことにより、顧客サービスもできるようになりました。例えば、電柱広告の契約を5年、10年と続けてもらえるように、古くなったら無料で新しく付け替えたり。外注に出していたら、絶対にできなかったサービスですね。

高画質な色彩で地場産業をアピールしたい

田主丸といえば、造園業や観光農園が盛んな地域。どちらとも高画質な色彩で看板を製作できれば、その魅力をより強くアピールできる。とくに観光農園は、フルーツのみずみずしさやジューシーなシズル感を表現できれば、そのアピール力は計り知れない。
SNS全盛の昨今、インスタ映えはもはや流行語ではなく、当たり前に求められるものとなっている。そんな時代において、インクジェットプリンターの導入は必然の判断だったのかもしれない。
田主丸町を貫く国道210号沿いに、「立石工芸社」による美しい看板がたくさん立てば、活気に満ち溢れた美しい光景が広がるだろう。

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