改善を続けるメニューと今を乗り切るアイデアが未来を拓く

PIZZA食堂 ROKA
福岡県久留米市田主丸町豊城1832-1
■代表者: 今村 成寿
■創業: 平成27年1月6日
■計画承認日: 令和2年10月7日
 
■TEL: 0943-72-2050

全国展開する店から個人店まで経験し独立

手ごね生地でつくるもちもちのピザやパスタなど、豊富なイタリアンがカジュアルに楽しめる「PIZZ食堂ROKA」(以下、「ROKA」)。最近は社会情勢もあってテイクアウトに力を入れ、従来のピザ生地を改良し、「冷めてもおいしい」と新たなファンを増やしている。
 店主の今村成寿さんは、幼少期から料理や裁縫といった家庭科が得意で、高校は調理科のある学校に進学。卒業後はいずれ独立することを念頭に置きつつ、まずはチェーン展開しているイタリア料理店で約10年働いた。次に個人店で働こうと、フランス料理店を立ち上げから手伝う。オープンから2年後には系列のチャンポン店を担当することになり、さらに2年、社長の右腕として経営を学んだという。加えて、全国展開している店の経営も知りたいと思い、海外にも店舗展開している和食料理店の中華部門で修行を積んだ。大規模から小規模まで、さまざまな飲食店を体験した上での独立・開業だった。

家族連れからの要望が多い座敷を開放して営業
「ROKA」は、もともと和食料理店を経営していた店舗を改装してオープンした。当初は店内に生け簀や広々とした座敷があり、この雰囲気を無理矢理崩したくないと考えた今村さんは、できるだけ現状を活かして内装をリニューアル。インテリアはほとんど自分で選んだ。フロアはカウンターも含め20席。座敷は30席。さらに店舗に併設された家屋を離れとして改装し、30数人入る宴会場として活用できるように手を入れた。
通常の営業はフロアの20席のみで、座敷は宴会時に使うつもりでオープンしてみると、座敷を利用したいという家族連れが後を絶たなかった。座敷を開放すると、一気に収容人数は倍以上になる。急きょスタッフを増員し、対応することになった。現在は、家族連れのほか一人客も多く、離れは大規模な宴会やサークルの発表会なども開かれている。

商圏をリサーチし、競合の少ない業態を目指した

パスタやピザ、アラカルトにデザート、コース、セットと、「ROKA」のメニューは多い。ピザはトマトベースやチーズベースなど20数種あり、「マルゲリータ」や、生クリームを使ったチーズピザ「フンギパンナ」が人気だ。子どもには照り焼きチキンがよく出ているという。はじめはピザ用のマシンを入れる予定だったものの、手ごねでつくってみると軽い口当たりに仕上がり、手ごねでつくり続けることになった。開店前に仕込み、注文が入ると500℃の窯で2分焼き上げる。できたては、生地のパリパリ感、端のふっくらもちもち感の両方の食感が楽しめる。
パスタは約15種あり、オリジナルの「ベーコンとプチトマトのチーズソース」が一番人気だ。ペペロンチーノがベースで、クリームのまろやかさと粉チーズがきいた一品である。そのほか、トマトベースやクリームベース、オイルベース、和風と、定番も入れつつ、オリジナルメニューも盛り込んだ商品構成だ。料理に使う素材は、田主丸町商工会の会員である青果店から仕入れている。
競合店が少ないエリアに出店するために事前にリサーチをしていた今村さん。地元の方々が気軽に来てくれるよう、カジュアルな店を目指した。オープン後は友人が訪れ宣伝してくれたこともあり、「地元の人にとても助けられた」と話す。そして「ここでお店を始めて、本当に良かった」と言葉を続けた。




コロナ禍でどのような営業をしてきたのでしょうか?

お弁当のテイクアウト販売など試行錯誤
最初の緊急事態宣言の時はひどい有様でした。売上は半分ほどになり、店内での飲食は1日あたり20~30組ほどだったのが、1組あるかないか。もちろん、宴会なんてできません。多い時期は20人前後の宴会が週2~3組入っていましたが、コロナ禍でゼロになりました。2020年は周辺の飲食店と合同で、土日はドライブスルーでお弁当の販売をしていました。そこで約60食売り、ある程度売上を確保して、テイクアウト販売も実施。2019年からたまたまピザのテイクアウトを始めており、体制が整っていたのです。

経営革新計画を策定してみようと思ったきっかけは?

短期間ではコロナ禍は終わらないと思ったから
政府も新しい生活様式の浸透に力を入れていたので、私たちもそれに合わせて力を入れるところを変えなければと思ったからです。また、ちょうど隣の敷地が遊戯施設からドラッグストアに変わり、駐車場から当店の建物が見えやすくなりました。何の店かわかるように横断幕をつくろうと考え、田主丸町商工会に相談したところ、補助金のアドバイスがもらえたので、経営革新計画書をつくり、その補助金で横断幕を作成しました。経営革新計画書がきっかけで、開業して5年が経った自分の店を、改めて客観的に振り返れたことはとても良い機会でした。一人だとどうしても固執した考えになるため、商工会からアドバイスをいただけて参考になりました。

今後の展開は?

家族向けの商品を開発し、販売スタート
計画書にも記載した通り、ピザの手づくりキット(レシピ付き)を現在開発しています。ピザ生地とトマトソース、チーズをセットにし、それぞれのご家庭で具材は自由にのせていただき、ホットプレートで焼き上げられる商品です。試作品を従業員が持ち帰り、試してみたところ、「ちゃんとおいしくできるし、何より子どもが喜んだ」とのことで、ますます販売への意欲が増しています。1年以内には商品化する予定です。

柔軟な営業、困難をクリアするアイデアが現状を打開

コロナ禍で店の営業時間は変わった。これまではランチ後のアイドルタイムがあったが、テイクアウト需要に合わせて通し営業へと変えたのだ。すると、16時過ぎのテイクアウトが多いことに気づいた。「きっと、持ち帰って夕ごはんにするのにちょうど良い時間なのでしょう。営業時間を変えなかったらこの需要はわかりませんでした」と今村さん。
また、ピザ生地も変えた。試しに大手のピザを食べてみたところ、冷めたら堅くてとても食べにくかったのだ。高齢者はきっと疲れてしまうと思った今村さんは、材料の配合を変え、冷めてもおいしく味わえる堅くならないピザを開発。オーブントースターで温めると、カリッとした食感に戻り、お客様からも好評だという。今は1日平均20枚、多い日は40枚ほどのピザが、テイクアウトで出ている。
さらにSNSでのPR、デリバリーのスタートと、模索を続ける今村さん。「ROKA」がこの先、どのような店になってほしいかと聞いたところ、「細く長く、この地域で営業したい。子どもの頃にここで食べていた人が、いつか子どもを連れてまた来てもらえると嬉しい」という答えが返ってきた。その日のために、今村さんは現状を打開するたくさんのアイデアで、多くの人に愛される店を守り続けている。

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