常にアンテナの感度高く!ちゃんぽんの名店がつくった意外な新商品

つつみ
久留米市田主丸町鷹取496-1
■代表者: 堤 基弘
■計画承認日: 2021年9月13日
 

事業内容

代表・堤基弘さんの母がかつて経営していたレストランの人気メニューである、ちゃんぽんやカレーライス、かつ丼が評判の店。最近は堤さん自ら福岡市内のタイ料理店すべてに出かけ、研究したオリジナルのグリーンカレーも好評を得ている。

About us 会社概要

お昼時は大混雑!人気のちゃんぽん店
コクがありつつスッキリとした自家製の鶏ガラスープに、シャキッと炒めて甘みを引き出したたっぷりの野菜――ここ、「つつみ」はお昼ともなると、人気のちゃんぽんを求めて客足が絶えません。「つつみ」代表の堤基弘さんは、自身の母親が久留米市御井町で46年もの間続けてきたレストランの味を受け継ぎ、2014年に現在の場所で開業しました。「母の生まれが吉井町で、このあたりの土地勘もあったのです。また、企業や工場が増えてきたこともあって客数が見込めると踏みました」。
お客様の3割ほどは、母の代からの常連さん。また、福岡や北九州ナンバーの車も多く見かけ、観光客も多数訪れている「つつみ」にも、飲食店が大打撃を被った新型コロナウイルスの影響が及びました。2019年8月に開業して3カ月後にコロナ禍に見舞われてしまったのです。堤さんは「正直なところ、こういうものなのかな、と思った」と話します。

開業してすぐだったからこそ、次の手を考えられた
「開業してからの2カ月は、昔の常連さんや知り合いに来ていただけるので数字は伸びるもの。“通常期”とはまた違います。そのうち、コロナ禍で客足が鈍くなりました。他のお店は『お客様がものすごく減った』と言っていましたが、僕はオープンしたばかりだから、比較対象がなくて」。
時には来店客数が1日に1~2人のこともあったそうです。「もう1~2年早く開業していたら、『こんなにお客様が減るなんて』と、心が折れていたかもしれません」と話す堤さんは、「面白い経験だった。これから何でもできる」と前向きにとらえます。そして、看板メニューのちゃんぽんやカレー、グリーンカレー、新たにつくる抹茶プリンなどを冷凍し、店内で販売することを考えました。田主丸町商工会に相談し、補助金で冷凍庫を導入するために動き始めます。




Management Innovation 経営革新

●経営革新計画書で提案したこと
ちゃんぽんやカレー、グリーンカレー、抹茶プリンなどの冷凍食品の開発・販売。店頭に新しく導入する冷凍ショーケースで販売するほか、道の駅での販売も考えました。また、SNSを活用した情報発信も計画しました。

●経営革新計画をもとに導入したもの
冷凍ショーケース、および縦型冷凍庫です。導入に際して田主丸町商工会にサポートしていただいて、助かりました。
●冷凍カレー販売の課題
製造は委託し、解凍してもお店で食べるような風味を保てる商品開発を考えていましたが、なかなか味わいが定まらず、冷凍化の難しさを感じています。

Future その後の展開と未来への展望

万人受けするグリーンカレーをつくったら…
ちゃんぽん、カレー、かつ丼…と食堂らしい一品が並ぶ「つつみ」のメニューの中で、異彩を放つのが「グリーンカレー」です。ちゃんぽんでも使う鶏ガラスープを使った、和食の「だし」に似た奥行きのある味わいで、じわじわとファンを拡大しています。「福岡市内のタイ料理店に片っ端から行ってグリーンカレーを食べ比べしていた時、どの店も味にあまり差がないように感じたのです。僕は高齢の方々にも受け入れてもらえるカレーをつくろうと思いました」と堤さん。
YouTubeで紹介してくれるお客様もおり、グリーンカレーを目指して来るお客様も増える中、久留米市合川町にあるカレーパン専門店から声がかかりました。「つつみ」のグリーンカレーを使ったカレーパンをつくることになったのです。

意外性のある組み合わせでインパクトを
「某有名うどんチェーンはおはぎが人気ですよね。麺類と甘味、そういう違ったものの組み合わせは、お客様にインパクトを与えると思うんです」と堤さん。「それなら、つつみはちゃんぽんとグリーンカレー、ちゃんぽんとカレーパンだ。組み合わせに意外性がある」と考え、目下商品化を目指しています。「2023年8月をめどに販売をスタートする予定です。冷凍カレーパンは、補助金で購入した冷凍庫にストックしてお土産に販売できれば、と考えています」。

商品プロデュース、支店出店とさらなる飛躍へ
さらに夢は広がります。「いつか東京に支店を出したいですね。福岡の食はクオリティがとても高いので、東京でも当たると思うんです」と堤さん。そういった夢を抱くのも、飲食店や商品を全国展開する友人や後輩の存在が刺激になっているから、と話します。
また、最近は地元の竹林を活用するプロジェクトに呼ばれ、タケノコを使ったスイーツやペットフードなどの商品化のアドバイスをしているそうです。「僕は人と人とのつながりがあれば、地元や九州内でも、面白いことがたくさんできると思っているんです。何事もアイデアと縁をキャッチするアンテナが大事です」。「面白い」と思える視点と、わくわくする感情を大切にし、“飲食店として”だけでなく“堤さんとして”できること、やれることが、今まさに拡大中です。

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