プロの味に感動し、人との繋がりが生まれるやきとり店

やきとり ぜん
久留米市田主丸町益生田367-10
■代表者: 鳥越 善次郎
■計画承認日: 2021年11月22日
 

事業内容

飲食店だけでなく食肉卸会社にも勤めた“食肉のプロ”、鳥越善次郎さんが経営するやきとり店。2019年に現在の場所へ移転オープン。広くなった店舗は個室や団体向けの堰も完備し、家族連れも訪れている。

About us 会社概要

元気がもらえるだけでなく、人とのつながりを生む店を
店内に一歩足を踏み入れた途端に、「いらっしゃいませ!」と元気よくかけられる声。田主丸町で繁盛する「やきとり ぜん」では、代表の鳥越善次郎さんだけでなく、スタッフ全員が明るく、てきぱきと対応してくれます。「楽しそうで、雰囲気が良くて、店に行くだけで元気になる――飲食業界に入って、そんな店をつくりたい、というのが夢の一つでした」と鳥越善次郎さん。
高校卒業後に調理専門学校に通い、そして興味のあった飲食業界へ。さまざまな飲食店を訪れるなかで、「店は『美味しさ』という感動を生むし、食だけでなく人との出会いにもつながる。それで自分も店を出したいと思ったのです」と話します。が、最初に働いた釜めし・やきとり店を退職した後は、食は食でも、食肉卸業に転職を果たします。「自分の強みが無かったので、食材の知識を学ぼうと思ったのです」。

食肉のプロが目利きするやきとり店の誕生
「店で提供する肉は、どのような状態で卸売会社からくるのか、金額面は、仕入れ交渉は…と、学ぶことは多くありました。中でも、牛一頭まるまるさばけるようになり、店で出す素材の知識は飲食店で働いていた時よりも段違いに増えたと思います」と、鳥越さん。その後、卸会社が営む焼肉店の店長に就任し、仕入先から、提供方法、販売価格設定、建物のコスト管理、アルバイトや社員の採用まで、飲食店経営に必要な知識も得られました。 その後、田主丸の仲間から「やきとり店を出してほしい」という声が上がり、ご縁のあったやきとりの有名店で修行、満を持して独立、開業に至りました。以降は順調に客足が増え、来店客の8~9割は地元客だと言います。2020年以降はコロナ禍に見舞われましたが、新メニュー開発などで苦境を乗り切りました。今日も店には元気な声が飛び交い、地元客から愛されています。




Management Innovation 経営革新

●コロナ禍をきっかけに新メニューを立案
店舗を拡張し、移転オープンした直後にコロナ禍に見舞われました。「従業員が辞めてしまわないか」ともう、頭がいっぱいで。そんな中、メニューに、ボリュームのある“ごはんモノ”を増やし、ファミリー層を獲得するべく動き始めました。ちなみに、昼営業やテイクアウトと業態を広げると食品ロスが課題になるため、現在は夜営業を主軸にしています。

●経営革新計画をもとに、釜めし提供の準備を整える
以前、釜めしの店で働いていたことともあり、メニューに「親子そぼろ釜めし」「しらすと梅の釜めし」「サーモンといくらの釜めし」を加えようと思い立ちました。そして、締め切りギリギリに経営革新計画申請書を作成したのです。無事、申請書が通り、釜めし用のコンロや専用架台を導入することができました。

●工夫の結果、ごはんモノの売り上げが増加
店でとるだしにこだわり、釜めしの完成までに5カ月かかりました。実際に提供を開始した後は、口コミだけでシメのごはんモノの売り上げが伸び、客単価が上がっています。また、しっかりとごはんが食べられるイメージになったからか、ファミリー層も増えました。シメに「お茶漬けがある」と「釜めしがある」とでは響きも印象も全然違いますから。これから、やきとりと並ぶ看板商品になると考えています。

Future その後の展開と未来への展望

お客様の気持ちも、従業員の気持ちも大事
開業後の順調な滑り出し、移転・拡張、そして誰も経験したことのなかったコロナ禍…と、さまざまな出来事を経てきた鳥越さん。「最初は人の話を聞きながら、『こうした方がいいのかな、ああした方がいいのかな』と葛藤することもありました。しかし、今は自分の意志はブレないままで、スタッフ全員としっかりコミュニケーションとるのを一番大事にしています」と言います。
ここで過ごすお客様の気持ちも大切だし、ここで一緒に働く仲間の気持ちも大切。鳥越さんのその思いもまた、店の明るい雰囲気に反映されています。店を始めるきっかけとなった、「なんだか楽しそうで、面白そうな店をつくりたい」。その原点には、「ここで働いてよかった」という従業員の気持ちも欠かせない、と話してくれました。

2店舗目の開業を目指して――
これからの目標は?と問うと、「2店舗目のオープンです」と歯切れよく言い切ってくださった鳥越さん。やきとり激戦区の久留米駅前をも視野に入れています。コンセプトはもちろん、「肉のプロが提供するおいしさ」「楽しくて明るくて元気な気持ちになる店」。
「コロナ禍なのでできることは限られていますが、人と人との関係は途切れません。人脈を温めつつ、場所を選んでいきます。楽しみで仕方ありません」と話す鳥越さん。今、釜めしと同様に、お客様が口コミで「2店舗目を出すらしい」と噂しているそうです。
人が繋ぐ反響とご縁。飲食店の醍醐味を知る鳥越さんは「いつかものすごい人数の従業員に囲まれて、お花見をしたい。いろんな人が見たいし、一緒に働いてくれる人を増やしたい」と夢を語ってくれました。目標が店舗数でなく、売上でなく、まず「人ありき」。関わる人を笑顔にする経営手法で、やきとり激戦区へと立ち向かいます。

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