ラクに楽しく、薬膳を取り入れられる料理教室始動!

和楽
久留米市田主丸町以真恵969-1
■代表者: 金 渭善(インタビュー:徐 美恵)
■計画承認日: 2021年11月22日
 

事業内容

夜営業がメインの焼肉店。焼肉のほか、チヂミやサムゲタンといった韓国料理や、一品料理を提供する。現在は後継者の薬膳アドバイザー・中医学診断士 徐美恵さんが料理教室事業をスタート、事業拡大を図っている。

About us 会社概要

自分の体と向き合い、薬膳の世界へ
地元のファミリーや、企業の会合などでにぎわう焼肉店「和楽」。2004年に後継の徐美恵さんが引き継ぎ、徐さんが中心となって昼営業・夜営業を続けてきました。がしかし、経営を引き継いでからというもの、徐さんはよく、体調を崩して倒れていたのだそうです。「こんなことではいけない。きちんと自分の体と向き合おう」。もともと栄養士だった徐さんは、店休日に薬膳の学校に行くことを決めました。
栄養学の世界から薬膳の世界へ――。同じ「食」とはいえ、二つの学問は根本的に考え方が違うものでした。栄養士としての仕事は栄養素やカロリー、塩分量の計算がメイン。しかし、薬膳は「食養生」の考え方だったのです。徐さんの心が向いたのは、薬膳でした。

知識と資格をもとに、少人数制の料理教室事業をスタート
「思い返せば、父がよく漢方薬を使っていて、『丈夫になるから飲みなさい』と高麗人参を勧めてくれたこともあったんです。薬膳は慣れ親しんだ『食』でした」と徐さん。
薬膳とは、毎日の体調に合わせて食事にプラスする「食の知恵」。春は毒素を排出し、夏は熱を逃がし、秋は体を潤し、冬は血の巡りをよくする…そういった考え方に興味がわき、中医診断薬膳師、薬膳アドバイザー、国際薬膳食育士、未病治診断士…と次々に資格を取得します。
そして友人の後押しを受け、和楽の店舗で料理教室を開催。地元の知り合い向けだった教室はやがて、人づてで広がって近郊都市でも定期的に実施するようになります。そして、コロナ禍をきっかけに、徐さんは少人数制の出張料理教室として事業化することを決意。販促物も整え、現在は料理教室だけでなく、大規模なイベントにも招かれています。




Management Innovation 経営革新

●経営革新計画書の作成で大変だったこと
いつまでに何をするか、事業に何が必要か、細かく計画を立てなきゃいけなかったことです。私は、計画を立てることが苦手なんです。田主丸町商工会のご担当者が手伝ってくれなかったら、活字化も数値化も全然できませんでした。今では良い勉強になったと感じています。

●屋号を「楽膳むく」に決定
「楽膳」には、「楽に簡単に、難しく考えない薬膳の方法を伝えたい」という思いを込めています。例えばコンビニでお弁当を買ってきても、何かを足せば、それは薬膳、というように。「むく」には人が集まって拡散していくという意味があります。

●出張料理教室用の機材をそろえる
助成金を活用し、出張料理教室に必要な低温調理器(BONIQ Pro)、フライパンセット(インジニオ・ネオ)、フードプロセッサー(MKK81)、ミキサー(TM8200)、電気圧力鍋(CY8521JP)を導入しました。また、今後の展開に向けて業務用真空パック器(CY8521JP)、食品乾燥機もそろえています。

●ロゴやパンフレット、チラシを制作
田主丸町商工会のご担当者からデザイナーさんを紹介してもらい、ロゴやパンフレットを制作しました。ロゴには流体文字と、日本の古代文字・カタカムナ文字を使って、「むく」と書いています。

●新たな展開も考えるように
計画2年目からは乾燥食材をパックに詰めて、簡単に薬膳料理がつくれるキットができないかと考えています。料理教室の後に家で簡単に再現できれば、さらに薬膳が広まるのではと考えています。

Future その後の展開と未来への展望

広がる「楽膳むく」の出張料理教室
「楽膳むく」の料理教室は、今では北九州市、福岡市、みやま市、大野城市でそれぞれ、月に1〜2回程度開催しています。参加者からは「薬膳ってこんなに簡単にできるんだ」「これなら私でもできる」「帰ったら家族につくってあげよう」という声が寄せられているそうです。徐さんは「薬膳を学ぶと、自分自身の体だけでなく、家族の体に対する意識も変わると気づきました」と話します。
頭が痛い時は、体がむくむ時は、体が冷える時は…その時々で向き合って、薬に頼るのではなく、毎日の食事に少しプラスする。その知恵を伝え、自分の体に向き合うきっかけを提供できたら、と徐さんは話します。

いつか、“本当に体に良いもの”を出す、子ども食堂を
今後は近郊のお寺からの声掛けで、コラボイベントを開催。また、国際会議場でのイベントで弁当の販売も任されています。人から人へと確実に「楽膳」の輪が広がっています。徐さんは「頼まれたことをきちんと遂行し、一つずつ積み上げていきたい。その中で、これまで学んだ韓国・日本・中国の薬膳の知識を活かして、自分なりの薬膳を組み立て、家庭でできる薬膳料理を広めたい」と話してくれました。
その先に見ているのは、地元の廃棄される食材も余すところなく使った、手づくりの料理を出す「子ども食堂」の実現。徐さんは夢に向けて、歩み続けていきます。

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