プログラム受講者は未来の社外営業マン! 「ワインの森大学」で、お客さまをサポーターに

株式会社巨峰ワイン
福岡県久留米市田主丸町益生田246-1
■代表者: 林田 浩暢 / 林田 安世
■創業: 昭和47年11月25日
■計画承認日: 平成29年3月31日
 
■TEL: 0943-72-2382

世界初!巨峰ワインの製造は、田主丸の歩みとともに…

「株式会社巨峰ワイン」の歴史は、田主丸の巨峰の歴史とともにある。
昭和17年、静岡県の伊豆で農学者・大井上康先生の手により誕生した巨峰。その大井上先生の門下であった越智通重先生の指導のもと、昭和32年、苦労の末に田主丸での巨峰の開植に成功した。
しかし、出荷した巨峰は房から実が離れてしまい、商品にならない。そこでアイデアマンだった先々代が「出荷が無理なら、みんなに収穫してもらおう」と、観光農園を発案した。日本初のフルーツ狩りは、大盛況。国道には観光バスが鈴なりに並んだが、その活況ぶりを見た先々代は「全国に広まったら、巨峰農家の生活が成り立たなくなる」と、次の一手に打って出た。 1699年創業、老舗造り酒屋の12代目であった先々代が取り組んだのは、巨峰ワインの製造。専用種の葡萄ではない巨峰でのワイン醸造には、酵母を独自に開発する必要があったりと、困難の連続だった。
しかし昭和47年、世界で初となる巨峰を使ったワイン醸造に成功。それと同時に会社を設立、翌48年に初仕込みされたものが、現存する最古の巨峰ワインとなっている。
13代目となる先代は、大阪大学で発酵学の博士号を取得。ワインの本場・ボルドーで学ぶなど、醸造技術のさらなる発展に心血を注いだ。 こうして磨かれてきた独自技術が伝承され、今では田主丸の気候に合った伝統の醸造方法を確立。
長年に渡り蓄積してきた醸造技術が評価され、現在では30を超す酒販店や企業よりオリジナルワインの製造を受託している。

伝統の醸造技術で実現!果樹の里・田主丸で造るフルーツワイン

美しい自然に囲まれた、森の中のワイナリー
耳納連山の麓、静かな森の中に佇む「巨峰ワイン」。1万5千坪の敷地には、葡萄畑に醸造場、貯蔵庫にレストラン、ショップなどが点在する。
緑の樹々の間に、白壁の醸造蔵が建つ風景は、まるでヨーロッパの田舎に迷い込んだよう。
森の小径を通り抜けた高台には、田主丸の街並みを一望するレストラン「ホイリゲ」が建っている。
地下の貯蔵庫や葡萄畑にも立ち入ることができ、観光スポットとしても人気。
貯蔵庫では、樽ではなく一升瓶に入ったワインにご注目。造り酒屋ならではの工夫が、ユニークな光景を生み出している。

地元で収穫される、豊かな実り…フルーツを使ったワイン造り
現在では、“専用の葡萄種を使わないワイン醸造”という独自の醸造技術を生かした、フルーツワインの製造に励んでいる。季節に応じたフルーツワインは、常時10種類ほどを販売。
1月のキウイを皮切りに、ミカン、あまおう、甘夏、ビワ、スモモ、モモ、巨峰、柿…と、フルーツの里ならではの豊富なラインナップを誇る。
使用するフルーツは、すべて近隣で収穫されたもの。フレッシュな美味しさを生かすため、産地からフルーツが届くのを待ち構えて、仕込みに入ることもある。
果汁を手絞りするなど、「小さなワイナリーだからできること」と、丁寧な仕込みにこだわっている。




経営革新計画を策定してみようと思ったきっかけは?

平成24年の社長就任にあたり、小さなワイナリーであることの強みと弱みを徹底的に掘り下げ、それに見合った経営戦略の見直しが必要であると考えました。
ワイン業界・市場は、関税撤廃など外的な要因に大きく左右されます。そんな中でも揺らがない、自分たちの強みを生かしたワイン造りを模索していたんです。
そこで、まずは我が社の強みを発揮した、他社との差別化による売上アップを相談しました。

経営革新計画の内容

Q. 新サービスの概要と、その新規性を教えてください。
体験型セミナー「ワインの森大学」の創設です。
「ワインの森大学」は、入学から卒業までの1年間で原料栽培からワイン醸造までを行う、全4回のプログラムとなっています。
4月に巨峰の花摘みと誘引、6月に葡萄の袋かけ、8月に収穫と仕込み、そして12月に製品の仕上げ。オリジナルラベルを貼って、自分だけのワインが出来上がります。
最近は体験型観光が脚光を浴びていますし、若い方は自分だけのオリジナルのものを好む傾向があります。そこで、ワイン造りの過程を楽しんでいただきたいと始めました。
我が社には、葡萄栽培の技術者、ワイン製造の技術者など、製造に関するプロはたくさんいますが、実は、営業マンがいないんです。
プログラム参加者には、ここを“私たちのワイナリー”と思っていただき、社外営業マンになっていただければと思っています。

Q. 将来の展望は?
すでに去年、このプログラムを実施し、20名の方に参加いただきました。「留年して、もう一度参加したい」「同窓会したい」と言う声が挙がるほど、皆さま、とっても楽しんでくださいました。
また、この1期生たちは、人手が足りない祭りや袋かけの時期になると「忙しいでしょう?手伝いにいくよ」と連絡をくれます。プログラムに参加して忙しい時季を分かっているから、本当に助けに来てくれるんです。
プログラム終了後もこうして良い関係を築けて、実施して本当に良かったと思っています。

経営革新計画を策定してみていかがでしたか?

Q. 策定期間中、どんな支援を受けましたか?
専門家の先生との面談にあたり、私だけでなく従業員も同席させていただきました。
今の状態に満足していたり、今の環境を「お金がないから改善できない」と考えていた従業員もいましたが、先生がその意識から変えてくれました。
先生が答えをおっしゃることはなく、いろんな質問をしながら、従業員に考えさせるんです。 「あなたのお給料はどこから出ているの?」と聞かれて、お客さまの大切さ、お客さまが幸せになってこそ私たちも生きていけると気づかされたり…。
各自がしっかり「会社の在り方、お客さまのこと、自分の仕事」について考える、とても良いきっかけになりました。

また私に限って言えば、経営指導員さんにあらゆることを相談するのですが、経営指導員さんに話している中で、ヴィジョンが明確になったところも大いにあります。
経営革新を申請するにあたりいろんな質問をされますが、だからこそ必死になって考えるんですよね。その考えを文章にするために、さらに考える。その繰り返しで自分の考えていることが整理整頓されて、自分の進む道が見えてきました。

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自慢のフルーツワインを市場にアピール
独自技術を生かしたフルーツワインを、もっと多くの方に知っていただきたいと思います。
それぞれに酵母菌も仕込み具合も異なるワインを、こんなにたくさん醸造できるのは、伝統の醸造法が醸造現場できちんと継承されている証です。
「酸味のあるキウイはスパークリングが美味しい」、「柿は熟成させた方が美味しいワインになる」など、それぞれにこだわったワイン造りをしています。
あまおうのスパークリングワインは、あの成城石井で取り扱われていますし、東京の老舗フルーツパーラーのチョコにも配合されている、自慢の逸品なんです。

地域と支え合い、築きあげる未来
先々代が巨峰ワインを造り始めたのは、田主丸の巨峰農家さんから巨峰を安定的に買い取るためでした。先々代も先代も、いつも田主丸のことばっかり、地域の発展を一番に願っていました。
その志を継いで、今後も地域とともに発展していきたいと考えています。

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