緑ある暮らしを提案 緑を通して考える、共生の村づくり

ふるさと管理綜合株式会社
福岡県久留米市田主丸町菅原1368
■代表者: 馬田 直明
■創業: 平成28年1月15日
               
■補助金採択日: 令和2年5月22日
■TEL: 0942-55-2128
             
■支援内容: 小規模事業者持続化補助金

遠くから守る、故郷の明かり

代表の馬田さんが「ふるさと管理綜合株式会社」を起業したのは、じつは東京在住の頃。馬田さんは投資会社に勤めた後、有志とともに独立し、創業メンバーとして活躍していた。東京で華々しい成功を収めた馬田さんだが、心の中には常に故郷・田主丸の存在があったという。
また、自分と同じように故郷を離れ、「気にはなるけど、遠くて何もできない」という地方出身者が多いことに気がついた。そこで馬田さんは「ふるさと管理綜合株式会社」を設立。退職後には帰郷し、変わらない故郷を守りたい。故郷を離れて暮らす人の代わりに、自分が故郷を管理したい。そんな理念の下、「ふるさと管理綜合株式会社」を創業した。

田主丸の地域資源を活用する

「ふるさと管理綜合株式会社」を創業した翌年、馬田さんは田主丸に帰り、まずは地域資源である植木の活用に着目した。もともと馬田さんの両親が造園業を営んでいたこともあり、造園業の人たちが困っていることはないかと考えた。
田主丸は、日本一の植木の町。職人さんの造園技術にも、目を見張るものがある。しかし、職人さんは営業が苦手で、その技術力をアピールできていない。そこで職人さんとお客様をつなぐ架け橋として、庭の設計・施工・管理を請け負う「Goodガーデンの相談窓口」をスタートさせた。「Goodガーデンの相談窓口」では、小郡市や筑紫野市の三国ヶ丘など約6700世帯にチラシをポスティング。ピーク時には1000軒中10件の契約が取れたこともある。契約が取れた場合には、馬田さん推奨の職人さんが駆けつけるというわけだ。「Goodガーデンの相談窓口」の人材は豊富で、造園だけでなく、エクステリアや外構工事までを手掛けている。
「田主丸の職人は、樹木の特性をよく理解している」と、馬田さん。植えた時だけでなく、5年後10年後の植木の姿を想像できる。それが、田主丸の職人のすごさ。お客様の評判は上々で、今後は商圏を大野城市や太宰府市にまで広げたいと考えている。




補助金の活用について教えてください

「Goodガーデンの相談窓口」では、お客様に緑のある暮らしを提案しています。私たちはこれを「緑のある暮らしサポート」と位置づけ、今まではチラシメインで集客してきました。しかし今回、新しい販売促進ツールとして、補助金を活用してホームページのリニューアルを行いました。今までのホームページでは植木の剪定価格などを案内するだけでしたが、新たに施工事例などを写真で分かりやすく紹介し、当社の強みをアピールしていこうと思っています。
また、当社では緑ある暮らしサポートだけでなく、住まいサポート・人生ライフサポート・社会貢献型福祉投資などの事業も行っています。「住まいサポート」は、一般的な賃貸契約が難しい方々のための居住支援になります。また、「社会貢献型福祉投資」では、投資家の方たちに、障がい者のためのグループホームの建設を提案しています。国は現在、従来のような障がい者施設を作らず、障がい者の方たちも住宅街の中で生活するように促しています。しかし、障がい者の方々を引き受ける場所が圧倒的に足りていません。そのうえ縦割り行政の隙間に落ちてしまい、行政の支援が受けられない、行き場を失った障がい者の方がたくさんいます。私が目指すのは、共生社会です。今回のホームページでは、そういった活動についても紹介しています。

可能性は日本の“村社会”にあり!

私が目指しているのは共生社会ですが、もっと言うと「共生の村づくり」が目標です。町ではなく、もう少し小さい地域コミュニティです。日本の戦前・戦後の村社会が、現代社会の問題を解決してくれると思っています。昔の日本では家族が単位でしたが、血縁に頼らない村づくりができたらと。ヨーロッパでもコレクティブハウスというのが出てきました。親しい人々が集まって、一緒に生活をする。助け合って生きていく。これは、昔の日本の村社会に通じるものがあるのではないでしょうか。
人生の最後になって、誰かの献身的なサポートがないと生活できなくなる。人生って何だろうと思います。今の高齢者には、子どもがいないわけじゃない。ただ、子どもは都会に働きに出ていて、親を看ることができないんです。家族ができないなら、できる人がすれば良い。私は今、認知症カフェを考えています。交流の場があれば、認知症も進みにくい。
高齢化が進むなか、目指すはピンピンコロリです。ピンピンコロリに一番良いのは三世代同居と言われますが、家族ができないなら、地域社会が代わりになれば良い。こういうのは東京ではなく、地方から発信していかなければなりません。お互いが助け合う「共生の村づくり」。田主丸から発信していきたいですね。

強い田舎、強い田主丸で共生社会を目指す

いくつもの事業を手掛ける「ふるさと管理綜合株式会社」だが、一貫するのは「強い田舎を作りたい」という馬田さんのヴィジョン。馬田さんは、植木の町・田主丸ならではのスマートシティを創りたいと考えている。住宅街と学生街、そしてグループホームやショッピングセンターが垣根なく溶け込むスマートシティ。そのスマートシティのあちこちに樹木が植えられ、そして年間を通してずっと花を咲かせるのだ。植木だけでなく、田主丸はフルーツの町でもある。スマートシティを色とりどりの花やフルーツが彩れば、それは素敵な町になるだろう。
夢物語と思われるだろうか。しかし、自給自足や地産地消を行い、お金に振り回されない強い田舎を作れば、それはきっと世界に通用する村になる。高齢化が進む世界各国の人々が憧れ、そして見本となるに違いない。無理のない範囲でお互いに助け合い、ゆるやかなつながりの中、最後まで自分らしく生きていく。もしも実現すれば、それは現代の桃源郷となるだろう。

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