「もったいない」の気持ちが新たな事業の展開へ

Ohana coffee
久留米市田主丸町田主丸653-1
■代表者: 梶原 大輔
               
■補助金採択日: 2021年6月16日
■TEL: 0943-72-0020
             
■支援内容: 事業再構築補助金

事業内容

設立時は「たこやき大王」、のち「Ohana coffee」として飲食事業を展開。看板商品のたこやきをはじめ、軽食・喫茶を提供するほか、新たに冷凍食品事業もスタート。店の味を家庭で気軽に味わえる商品開発を手掛ける。

About us 会社概要

子どもから年配の方まで愛されるたこやき店をスタート
2009年7月に「たこやき大王」の屋号で事業を始め、日中はテイクアウトを中心としたたこ焼きの販売、夜はたこ焼きとおつまみを楽しめるバースタイルでの営業を行っていた梶原大輔さん。実は創業した当初から、余って廃棄せざるをえないたこ焼きが出ることに、「もったいない、どうにか食品ロスを減らせないか」と冷凍食品事業を構想していたといいます。当時、保健所に尋ねたところ、事業規模から冷凍食品事業を始めるのは難しいのではと指摘され、一旦は諦めました。しかしその後、コロナ禍に見舞われます。

夜営業から昼営業へ、そして新規事業を展開
深夜までにぎわっていた店なのに、開けてもお客様が来ない、これまでのようなバー営業は思った以上に難しい……。「このまま何もしないわけにはいかない」と腹を決め、もう一度冷凍食品事業を動かすべく、梶原さんは田主丸町商工会に相談をしました。
ここでもう一つ、梶原さんの心を動かしたものがあります。それは、「売れない野菜の廃棄」。農業の盛んな田主丸町ではさまざまな野菜や果物を栽培しています。梶原さんの奥様の実家も農家でよく「売れない野菜」をもらっていたそうです。「きれいで、おいしいのに、大きさや傷などで商品にならないのはもったいない」と思った梶原さんは、野菜の廃棄を減らす取り組みも行いたいと心に決め、田主丸町商工会に相談しました。




Rebuilding 事業再構築補助金

●経営革新や持続化補助金、事業再構築補助金を申請
これまで店舗拡張やECサイトの立ち上げに際して、田主丸町商工会を通してさまざまな補助金を申請してきました。今回は冷凍食品事業ということで、真空包装機やできたての味を損なわない急速凍結保存庫、冷凍冷蔵庫などを導入。ひととおり機械が揃い、保健所の許可が取れるように厨房の改装も完了しました。

●クラウドファンディングにもトライ
「こんなに綺麗で美味しそうな野菜がなぜ売れないのか」と考え始めてから、冷凍食品事業の構想と同時に、クラウドファンディングにも挑戦しました。“もったいない食材”を買い取って冷凍食品とかに変える予定でしたが、一度目は認知度が広がらずに目標達成ならず。人脈を広げ再トライした時に目標を達成できました。

●課題は宣伝力
ECサイトも冷凍食品事業も、リピーターはじわじわと増えてきましたが、まだ宣伝不足だと実感しています。現在の発信方法はインスタグラムが主で、今後はGoogleMapも活用していきたいと思っています。

●自分から発信することが大事
田主丸町商工会は会員が多いと思っています。だからこそ、自分から何をしたいか発信して、職員の方々にも知ってもらうことが大事だと考えます。知ってもらえると、職員の方々から手助けをしてもらえるとわかって、目標実現のために一層相談するようになりました。

uture その後の展開と未来への展望

「意志」を話せば、人脈が広がる
現在はカフェとして、人気のたこやきのほか、軽食メニューも提供する「オハナコーヒー」を営業しています。「オハナ」には「家族」「友人」といった意味があり、親しい人との時間を楽しんでほしいという願いが込められています。「もう一つ、『たこ焼きしかない』というイメージを脱却したかった」と梶原さん。これまでとは違った人脈を築けた結果、新規事業もスタートできました。
「一度目のクラウドファンディングをきっかけに、新しく手掛けたい事業について友達や先輩に話していたところ、イチゴ農家やブドウ農家ともつながりができました。そこで再びクラウドファンディングに挑戦し、お菓子をつくったところ、目標を達成できたのです」。現在は“テスト段階”で、今後は買い取りの範囲を広げ、従業員も加工作業に参加できる、カットフルーツ、カット野菜などの商品開発も手掛けていく予定です。

道の駅、スーパー…新たな販路の開拓
ECサイトや店頭販売の他に、道の駅や福岡市内のスーパーでも冷凍食品を販売することになった梶原さん。売り上げも徐々にアップし、販路を広げるために別のスーパーのバイヤーさんに直接交渉したところ、新規契約につながりそうだと話します。 また、今後はネット商談会にも参加予定です。大手百貨店・スーパーが軒並み参加する商談会なので、「バイヤーの目に留まらないと…」と、お客様からのアイデアも取り入れながら商品名を大きく変更。タレ味は「たこやき大王の黒」、塩味は「たこやき大王の白」と新たに名付けました。「いずれ、『たこやき大王』は冷凍食品部門だけで名乗っていこうと考えています」と梶原さん。たこやき販売から始まった飲食業は、今、大きな転機を迎えています。

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