地元の人にも食べてほしい!キッチンカーで届けるベンガルカレー

かっぱの朝帰り
久留米市田主丸町朝森523-1
■代表者: 田中秀喜
               
■補助金採択日: 2024年6月
■TEL: 090-7532-8208

事業内容

築80年の古民家を改装して2019年12月に民泊事業をスタート。2025年9月には大分市でも1棟貸しの宿泊施設を開業した。2025年から新規事業としてキッチンカーによるベンガルカレーの移動販売を始め、浮羽・朝倉地区のイベントなどに出店している。

About us 会社概要

バングラデシュでの経験を生かし、民泊・飲食事業へ
農業機械メーカー勤務を経て、2007年からバングラデシュに滞在していた田中さん。JICA(国際協力機構)専門家として活動したあと会社を立ち上げ、日本企業の進出支援を行っていました。ところが2016年に発生した首都・ダッカでのテロ事件の余波を受けて事業は頓挫。子供たちを田主丸町の実家に退避させ、田中さんも2018年に家族のもとへ戻りました。帰国後、これまでの経験を生かした事業ができないかと模索していた田中さんが着目したのが民泊事業でした。2018年6月に民泊新法が施行され、国内でも民泊が広がり始めていた時期。海外での経験も生かせそうでした。自宅兼宿泊施設として使えるような古民家を探していたところ、不動産会社から現在の物件を紹介してもらいました。「大きな梁や柱が随所に使われている立派な古民家で、水回りが比較的新しかったこともあり大掛かりな改装も必要ありませんでした。眺望を重視していた妻も気に入ってくれ、その日のうちに購入を決めました」。2019年12月に事業をスタート。耳納山地をのぞむ雄大な景色に情緒ある家屋は外国人観光客を中心に好評でしたが、2020年になるとコロナ禍で開店休業状態に。それでも田中さんは前向きでした。「お客さんが来ないのなら、その間に宿泊施設としてもっと充実させようとあちこち手を加えていきました。2階にはキッチン・バス・トイレを整備して、長期滞在者向けに貸し出すことにしました」。

自宅農園の具材を使った家庭料理が好評
改装を終え、営業を再開してからは客足も順調に伸びています。宿泊者の約7割が外国人観光客で、その多くが民泊アプリ「Airbnb(エアビーアンドビー)」経由の予約。特に宣伝はしていませんが、宿の雰囲気や日本の家庭料理、田中さん夫婦の温かな接客などがSNSなどで高く評価され、そうした書き込みを見て予約を入れる人も少なくありません。田中さんが特にこだわっているのが食事です。コメ農家である田中さんの実家から仕入れた地元産米。じっくりと発酵させた自家製の漬物。庭の農園で採れる野菜をたっぷり入れた味噌汁。「朝食のメニューはご飯・漬物・味噌汁だけですが、それぞれが一級品という自負があります。お客さんからの評判も上々です」。




Sustainability 小規模事業者持続化補助金

・田主丸町商工会への相談のきっかけ
民泊事業を開始した翌年(2020年)、田主丸町商工会に入会。2023年7月に九州北部を襲った豪雨水害によって被災した際、新たに始めようとしていたキッチンカー事業が復興支援の補助対象になるのか相談しました。

・支援内容と成果
災害復興の支援制度ではキッチンカー事業は補助の対象にはならなかったものの、小規模事業者持続化補助金の活用はできそうだと助言をいただきました。申請に必要な経営計画、補助事業計画の作成に当たっての支援を受け、無事に補助金を受けることができました。

・補助金事業計画書に基づいた取り組み
キッチンカー事業を行うに当たって車両はすでに購入していたため、後部荷台に設置するキッチンボックスの製作、塗装および電装設備の取り付けなどを外注しました。その費用の一部に補助金を活用しました。

Future その後の展開と未来への展望

多種の魚介類・野菜がセットになったカレー
外国人利用客が初めて体験する日本の家庭料理に満足してくれる一方、日本人観光客に好評なのが「ベンガルカレー」です。インド東部からバングラデシュにかけてのベンガル地方の家庭で出されるカレーは、肉入りのスパイスソース(日本でいうカレーのルウ)のほか、カレー風味の魚介類・野菜などの小皿が数多く添えられます。田中さんは現地の人がYouTubeにあげたレシピを参考にしながら、現地で食べておいしいと感じたメニューを再現しています。このベンガルカレーにも、自宅の農園で採れた多くの野菜が使われています。「このカレーを地元の人にも食べてほしいという気持ちがずっとあったのですが、宿泊するのは当たり前ですが遠方の方ばかり。そこでキッチンカーで地元のイベントなどに出店し、そこで食べてもらおうと思いました」。

初提供のベンガルカレーは完売!
車両は「少しでも目立つように」と、昭和42年式の日産「ダットサン・サニー」を購入。車の荷台に乗せるキッチンボックスは自ら作成した設計図を鉄工所に持ち込んで製造を依頼し、2024年11月に完成しました。キッチンカーデビューは2025年3月、地元企業のイベントでした。事業を始めて広がっていった人脈や高校時代の同級生などを介して出店の声が掛かり、2025年11月には1カ月だけで4カ所に出店しました。「ベンガルカレーは準備に時間がかかり、どれだけ来場者に受け入れられるか見えない部分もあるので慎重に進めています。日本でお馴染みのカレーライスも用意し、まずは『おいしいカレー屋さん』と認識してもらうことから始めています」。11月にある会場で初めてベンガルカレーを15食限定で提供したところ、すぐに完売しました。「この地域は『いろんなものを食べてみたい』という人が多く、食に対する許容度が広い土地柄なのかもしれません」と手応えをつかんだ様子の田中さん。〝ベンガルカレーを田主丸の新たな名物に〟という夢に向けて一歩を踏み出しました。