人気の隠れ家レストランで「ニットカフェ」をスタート! “着る漢方”と名高い「草木染め」で編む、自分だけの癒しのニット

OKUMURA-TEI
福岡県久留米市田主丸町常盤1130-1
■代表者: 奥村 公記
■創業: 平成24年4月24日
■計画承認日: 平成29年7月31日
 
■TEL: 0943-72-3785

夫婦2人の才能を生かして…美味しい料理と草木染めのお店

入り組んだ住宅街にありながら、客足の絶えない名店がある。フレンチとイタリアンをベースに、ヨーロッパの田舎料理や家庭の味を提供する「OKUMURA-TEI」だ。昭和初期の古い民家を改装した店内はゆったり広々とした造りで、おしゃべりを楽しみながら、ゆっくりとおいしい料理を堪能できる。7つあるテーブルが埋まることも珍しくない、リピーターの多い人気店だ。
オーナーシェフの奥村さんは、料理ショーの先駆けとも言える名番組「料理天国」に憧れ、「辻調理師専門学校」に入学。卒業とともに同校の講師に抜擢され、夢だった「料理天国」にスタッフとして参加した。その後も同校のフランス校に講師として赴任、生徒たちに教える傍ら、自らも現地のレストランなどで修業を積んだ。その後は福岡市の「シーホークホテル&リゾート(現:ヒルトン福岡シーホーク)」のオープニングスタッフとして腕を振るい、平成24年、田主丸にて「OKUMURA-TEI」をオープンさせた。
目指すのは、ヨーロッパで食べた田舎料理。まかないで食べた料理や、家庭のお母さんが作る料理のおいしさに感動し、田主丸の食材をヨーロッパの田舎料理へと昇華させる。
「OKUMURA-TEI」のもう一つの軸となるのが、妻の恵美さんが手がける「草木染めアトリエ 恵の色」だ。玄関を上がってすぐに、草木染めの衣服や毛糸、生地などを販売するスペースがある。矢部村で13年間、草木染め工房を営んできた恵美さんが、天然の草木を用いて一つひとつ丁寧に染めている。
もともと恵美さんは、細胞検査士としてがん細胞を見つける仕事をしていた。患者さんの顔を見ず、検体だけが送られてくる日々…。「小さながん細胞も見逃すまい」と必死に探すうち、がん細胞を見つけると達成感を覚えるようになっていた。患者さんのために仕事をしているつもりが、患者さんのがんを見つけて満足する。その矛盾に悩んだ恵美さんは、次第に予防医学に興味を持ちはじめ、そんなとき出会ったのが草木染めだった。
自然由来の草木染めは肌に優しいだけでなく、その効能は「着る漢方」とも言われるほど。人間の身体で最も大きい器官と言われる皮膚は、私たちが知らないうちに衣服の色や素材を敏感に感じ取っている。そのため皮膚に直接触れる衣服を草木で染め、その薬効で身体の調子を整えようというわけだ。
基本的には第一印象で選んだものがその人の求める効能だが、ここでは草木それぞれの特徴や薬効を知り尽くした恵美さんが、身体の状態に合わせさまざまなアドバイスをしてくれる。

2人のプロがいるお店!“食”と“衣”で、自然由来の癒しを提供

田主丸の食材と水にこだわり、ヨーロッパの田舎料理を再現
おいしい田舎料理に欠かせないのが、新鮮な地元野菜。「田主丸は食材に恵まれているうえ、水は井戸水なんですよ」と、奥村さん。こだわりが高じて、なんと久留米青果市場の仲買人の資格を取得した。知り合いの八百屋さんに同行し、市場の仲買人たちに顔を売ること約1年。ようやく仲間として認められ、正式に資格を得た。今では自らせりに参加して、食材を調達している。
サラダやスープはもちろん、メインの肉料理にかけられるソースにも、野菜がゴロゴロッと入っている。一度ランチコースの野菜量を計ってみたところ、1日の必要摂取量350gを優に超えていたそう。食べ応えがあっておいしいうえに、野菜たっぷりでヘルシー。クチコミだけで客が途切れないのも納得できる、何度も通いたくなるレストランだ。

草木や色…、それぞれに秘められた薬効
草木には、それぞれ異なる薬効がある。例えば玉ねぎの薄皮には、抗菌・降圧・安眠といった嬉しい効果がある。玉ねぎは、長期保存できる野菜の代表格。この長期保存を可能にしているのが薄皮であり、玉ねぎの薄皮は漢方薬にも使われている。
栗のイガは、アトピーなど肌の弱い方にオススメ。栄養豊富な栗を虫から守るため、栗のイガには驚くべき効能が秘められているのだ。 また草木染めは、「カラーセラピー(色彩療法)」にも通じている。赤やピンクはホルモンバランスを整え、保温効果や月経中の冷えを防ぐ効果がある。
この草木と色の効果を併せて感じられるのが、100%天然素材を使う「草木染め」というわけだ。




経営革新計画を策定してみようと思ったきっかけは?

昔からの夢だったんです。「おいしい珈琲を飲みながら、みんなで楽しくおしゃべりをして…。そのうえで手を動かしながら、何か作品ができる場所」を作りたいって。
最近になって、何人かのお客さまに「ニットを作りたい」「ニットを教えて」って言われたので、思い切って始めることにしました。

経営革新計画の内容

Q. 新サービスの概要と、その新規性を教えてください。
経営革新のテーマは、「身も心も癒せる草木染め専門のニットカフェサービスの提供による収益拡大」です。
ビワや桜、お茶やヨモギなど、いろいろな草木で染めた毛糸がありますので、それを使って「自分のための特別なニットを自分で作ってもらおう」と思っています。自然の草木が持つ“癒しの力”を身につけられるニットです。 草木染めの効果を感じるには、手編みが一番なんです。実際にお客さまからは「カサカサの手肌がツルツルになった」「毛糸の肌触りが気持ち良い」と言っていただいています。
ニットカフェはレストランがお休みの第2・第4木曜日の10時〜と13時30分〜、それぞれ2時間半で参加費1,000円(材料費別)で行っています。
参加者の中には、編み棒を持ったことのない方もいらっしゃいますが、最初から自分が作りたいものにチャレンジしてもらっています。そちらの方が楽しく続けられますし。お客さま同士で教え合ったりして、みなさん楽しく参加していただいています。

Q. 将来の展望は?
「草木染めから自分でやりたい」など、熱心なお客さまが増えてきました。ご自宅の庭木で染めたいと、庭木を持参してくださったり…。ですから編み物だけでなく、草木染めにもチャレンジしていただきたいと思っています。うちには機織り機があるので、機織りもできるんですよ。ご希望される方には、いろんなメニューを提供できるようになりたいですね。
また、今はレストランのお客さまにニットカフェをPRしているのですが、ゆくゆくはニットカフェに来たお客さまにレストランをPRできるようになれれば…とも考えています(笑)

経営革新計画を策定してみていかがでしたか?

Q. 策定期間中、どんな支援を受けましたか?
みんなで楽しめる場所を作るって、最初は夢だと思っていたんです。でも、その夢の話を経営指導員さんに聞いてもらっているうちに、次第に「できるかも」と思うようになってきました。具体的な数字を出しながらアドバイスをしてくれるところって、他にはないですよね。おかげで、足を踏み出す勇気を持つことができました。

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パンやデザートまですべて手作り!コスパ抜群のランチコース
「シェフのおすすめランチ」は、サラダ・自家製パン・本日のスープ・本日のメイン料理(パスタ・ピザ・肉料理などから一品)・デザート・ドリンクが付いて1,400円です。
スープやメイン料理は日替わりですが、今日のスープは「玄米と黒豆入りのキノコのスープ カプチーノ仕立て」でした。たくさんの野菜を炒めた後でしっかり炊くのですが、野菜の甘みが溶け出るように4時間ぐらいかけて炊き上げています。今日のメイン料理の一つ「厚切り豚ロース肉のグリル キノコのワインビネガーソース 地野菜添え」の豚ロース肉も、2時間ぐらいかけてゆっくり火入れしています。肉がすごく柔らかかったと思いますよ。
また、デザートもすべて手作りしています。今日はあまおうを仕入れたので、あまおう100%のシャーベットを作りました。小麦粉を使わないチョコレートケーキも人気です。お客さまの中には「他のデザートも食べたいけど、こればっかり頼んでしまう」とおっしゃる方もいます。小麦粉は使わず、つなぎはココアパウダーだけなので、ずっしりと濃厚な味を楽しんでいただけます。

草木染めに寄せられる、お客さまの嬉しい声
化学染料は糸にベタッと貼りつくように塗られているので、通気性がなく熱がこもります。草木染めは綿花のフワフワッとした一番小さい繊維まで入り込むので、通気性があって保温もできるんです。
お客さまの中には、「化学繊維のレースのショーツははけない」と言う方がいらっしゃいます。肌がまけてしまうそうですが、草木染めのショーツだと大丈夫なんですよ。「毛糸がチクチクする」と言う方も多いんですが、草木染めの毛糸なら大丈夫だったり…。
最近は、草木染めの布ナプキンに力を入れています。「万病に良い」と言われるビワで、ホルモンバランスを整えるピンクに染めるんです。草木染めの布ナプキンを使った方からは、「今までバラバラだった周期が28日ピッタリになった」というお声をいただいています。
若い女性のお客さまで「とにかくイライラする」と言う方がいらしたのでオススメしたところ、イライラが治ったと言っていただきました。痒みやブツブツなど、人に言えない悩みから解放されたという声もあって嬉しいですね。

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